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いろはにほへと「愛玩ーバイクというより」
米原 康正×みうらじゅん

からだが求める「気持ちよさ」を大切に、そして美しくあるために。女性の視点でつくられたセルフプレジャー・アイテム『iroha(イロハ)』をモチーフに写真家と文筆家がそれぞれの感性で描写します。

「愛玩-バイクというより」

バイクが欲しかった。
本当はボブ・ディランが20代の頃、ウッドストックで乗り回していた「トライアンフ500cc」ってバイク(アルバム『追憶のハイウェイ61』のジャケ写に載ってたヤツ)が欲しかったんだけど、いくらくらいするのか想像もつかなかったし第一、高校生の時のやっと取れた免許が原付。

 

こりゃ、話にならない。
それでも街をセミのような音をたてて「ヤマハ・ミニトレ50cc」で疾走する時、かなりロックな気分に浸ったもんだ。
決して友人ではなかったクラスのヤンキーたちは大きなバイクを持っていて、体育祭や学園祭など行事の時には後部座席に女子を乗せ通学してきた。

 

僕はその勇姿を遠目に、とても羨しく思った。ロックとはカッコイイことであり、モテモテのこと。
2人乗りが出来ない原付では全く敵わない夢。

 

ある日の授業中、後ろの席からヤンキーたちの話声が聞こえてきた。
「女はバイクというか、バイブが好きやろ。思いっきりスピード出した時、めっちゃ感じよるみたいやな」
僕はその時、初めてモテモテの原因を知った気がした。あの心地いい震動を受けては、そりゃ背後からギュッとしがみついてくるのも無理はない。“バイクというか、バイブ”

 

それが今、女性用セルフプレジャー・アイテム『iroha』。柔らかなシリコン素材の本体は触っているだけでとても気持ちいい。それをバイブ機能にして僕も股間に当てがってみた。うーん、誰かの背にしがみつきたくなるじゃないの。もう無理してバイクに乗ることもない。このバイブで十分だから。

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