いろはにほへと「2013年版 女の磨き方」
磯部昭子×辛酸なめ子
からだが求める「気持ちよさ」を大切に、そして美しくあるために。女性の視点でつくられたセルフプレジャー・アイテム『iroha(イロハ)』をモチーフに写真家と文筆家がそれぞれの感性で描写します。
「2013年版 女の磨き方」
自分磨きが好きな人は、料理教室や、ヨガ、英会話、茶道などさまざま習い事に励みますが、知識を付ければ付けるほど、フェロモンが枯れていくような気がします。みなぎる自己完結オーラと優越感で異性を寄せ付けません。自分磨きと女磨きは似て非なるもの……。
ではどうすれば、女を磨けるのでしょう。色気といえばポールダンス、と思い立って以前、ポールダンススクールに行ったら、教室に足を踏み入れたとたんアウェイ感が押し寄せました。女豹オーラをまとったセクシーな女子たちが、ポールに巻き付いてのけぞったり、しどけない姿態を見せていて、女としてレベルが違いすぎます。ポールになじむことなく一回転もできないまま、敗北感にまみれ教室を後にしました。
セクシーでビッチ系の女は、棒状のアイテムに潜在的に惹かれ、自分の色気を引き出す術を本能的に知っているかのようです。やはり女を磨くのは、性生活の充実……。そういえば二回できちゃった婚をしたある女優さんは、会った人によると「毎日セックスしている人でないと出せないフェロモン」を放っていたそうです。エクスタシーで無我の境地に至ることで細胞の新陳代謝も促されます。そこまではできなくても、頻繁にエロいことを考えたり、家でひとりirohaを使ってみるだけでも、女の泉は潤います。
荒業として、危機に瀕して本能をよびさます方法があります。人間は生命の危機を感じると生殖能力が高まるとされています。ここ最近の、猛暑やゲリラ豪雨や突風、雷雨などの異常気象を、女磨きのチャンスとして活用してみるのはいかがでしょう……。暴風雨にまきこまれてグショグショになっても、これで女が上がると思えば、辛さの中に一縷の悦びが感じられます。自然が与えてくれた試練を享受するのが、2013年版の女磨きです。