【超完全解説】膣と骨盤底筋の正しい動かし方
皆さんは膣と骨盤底筋を正しく動かすことはできますか?
見えない位置にあるので、できない人も多いはずですが、女性にとって膣と骨盤底筋を正しく動かせることは重要です。
今回は、動かし方について解説します。
注)「ちつ」の解剖学的に正しい表記は「腟」ですが、この記事では一般的な表記である「膣」を使用します。
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膣・骨盤底筋を正しく動かすことの重要性
骨盤底筋とは、骨盤の下部に存在する筋肉群で、排泄の制御や内臓の支持といった重要な役割を担っています。
女性は男性よりも骨盤底が不安定なため、骨盤底筋を動かして鍛える「骨盤底筋トレーニング」は、多くの女性が取り組むべきエクササイズなのです。
しかし、この骨盤底筋トレーニングは、そもそも膣や骨盤底筋を正しく動かせないと実施できません。
これが膣と骨盤底筋を正しく動かせるようにする、最大の意義です。
- 骨盤底筋トレーニングが実施できるようになる
- 漏れそうな時に、締めて失禁を予防できる
- 膀胱の緊張を緩和できる*
- 日頃から動かすことで膣と骨盤底筋がほぐれ、血行が向上する
- 経血を一定量留めることができる
*骨盤底筋が収縮すると膀胱は弛緩する仕組みになっている
膣・骨盤底筋を動かすイメージ
骨盤底筋には、尿道、膣、肛門と3箇所開口しているので、これらを締めるように動かします。
上手く動かせる人だと、尿道、膣、肛門を体内に引き込むように動かすこともできます。
しっくり来る動かし方のイメージは人それぞれですが、以下が代表的です。
膣・骨盤底筋の基本的な動かし方
膣と骨盤底筋はどのような姿勢でも動かすことができますが、最も簡単なのは仰向けで膝を立てた姿勢です。
膝の間隔は骨盤の幅程度にしましょう。
この姿勢は内臓の重量が骨盤底にかからないので、膣と骨盤底筋が動かしやすくなると考えられています。
この姿勢で、息を軽く吐きながら、先程のイメージで膣と骨盤底筋を締めるように動かしましょう。
頑張って息を吐いてしまうと、お腹に力が入ってしまうので注意しましょう。
これ以上締まらないところまで締めたら、リラックスして緩めましょう。この時、息が自然と入ってきます。
また、動かすのは膣と骨盤底筋なので、お尻が浮き上がったり、体が動かないようにも気を付けましょう。
この基本の動かし方がマスターできれば、もう正しく骨盤底筋トレーニングが実施可能です。
上級編!骨盤底筋を部位ごとに動かそう
骨盤底筋を部位ごとに動かすことができると、可能性が向上し、より骨盤底が強化できるようになります。
具体的には、➀肛門を締める ②尿道を締める ③膣を締める ④全体を締める をそれぞれできるようになるとGOODです。
➀肛門を締める
基本の動かし方と同じ仰向け膝立ての姿勢で、おならや便を我慢するイメージで締めていきます。
基本の姿勢よりも、脚を少し蟹股(がにまた)にすると、肛門側を意識しやすくなります。
②尿道を締める
同じく仰向け膝立ての姿勢で、今度はおしっこを我慢したり、排尿を途中で止めるイメージで締めていきます。
肛門を締める時とは逆に、内股にして膝を閉じた姿勢にすると、尿道側を意識しやすくなります。
③膣を締める
肛門と尿道の間を意識しながら締めていきます。
④全体を順番に締める
最後に、全体を順番に締めていきます。
それぞれの締め方を意識して、肛門、膣、尿道と、後ろから前に向けて締めていきます。
ここまでマスターできたら、膣と骨盤底筋の動かし方は完璧でしょう。
要注意!間違った動かし方「いきみ」
膣と骨盤底筋の動かし方で、最も多い間違った動かし方は「いきみ」です。
便を出そうとして、腹筋に力を入れて踏ん張るような動きが「いきみ」です。
膣と骨盤底筋が正しく動かせている場合、骨盤底筋は体内に引き込まれる方向に動きますが、「いきみ」では逆に押し下げられます。
過度な「いきみ」で押し下げられると、骨盤底筋がダメージを負う場合もあるので、要注意です。
不安な人は、お腹に手を当てて力が入っていないことを確認しながら、膣と骨盤底筋を動かしていきましょう。
各姿勢での膣・骨盤底筋の動かし方
基本の動かし方で紹介した「仰向け膝立ての姿勢」以外の姿勢での動かし方を紹介します。
骨盤底周りの多くのトラブルは、立った姿勢の時に起こるので、立位での動かし方を是非マスターしましょう。
四つん這いの姿勢
手は顔の下、膝は股関節の下に着くようにします。
背中は丸めずにまっすぐにしましょう。
仰向け同様、四つん這いの姿勢も、内臓の重量が骨盤底にかからないので、膣と骨盤底筋を動かしやすいと考えられています。
また、肘をついてお尻側を高く上げる姿勢にすると、膣と骨盤底筋を締めた時に重力の方向に動くので、より動かしやすくなります。
座位(座った姿勢)
座位で動かすときは、腰を丸め過ぎず反り過ぎず、骨盤を立てて中間位で行いましょう。
この時、骨盤の底にある座骨が座面に当たっている感覚があれば、正しい姿勢です。
仰向けや四つん這いよりも、内臓の重量がかかり、膣と骨盤底筋を動かしづらくなりますが、この姿勢で動かせるようになると通勤やデスクワークの合間でもトレーニングできるので、一気にトレーニング頻度を上げることができます。
立位(立った姿勢)
立位では、肩幅くらいに足を開きます。
座位と同様、腰丸め過ぎず反り過ぎず、踵(かかと)の上に股関節が来るようにまっすぐ立ちましょう。
この姿勢で膣と骨盤底筋を動かせるようになると、日常生活で失禁しそうになった際に、締めて失禁を予防することができます。
膣・骨盤底筋を動かせているかの確認方法
どうしても正しく動かせているかが分からない場合は、以下の方法で確認してみましょう。
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動きが悪い場合は、まずは膣マッサージから
膣と骨盤底筋の動かし方を解説しましたが、どうしても動かせない場合は、骨盤底筋が硬くなっている可能性があります。
その場合は、まずは膣マッサージで膣と骨盤底筋をほぐす所から始めましょう。