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出産検討中のデリケートゾーンケアについて/喜田直江先生

喜田直江先生

なおえビューティークリニック院長

平成13年 京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。平成15年 形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。平成18年 大手美容外科にて美容外科・美容皮膚科全般を習得。とくに婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。

 

平成23年10月、東京銀座でなおえビューティークリニックを開院。美容婦人科治療専門クリニック。 TV、雑誌など多数のメディアに出演中。日本形成外科学会会員、日本性科学会会員、日本抗加齢医学会会員、ビビーブ認定医、ウルトラヴェラ認定医。

 

 

2022年3月3日に数量限定で発売した泡タイプのデリケートゾーン用ソープ「iroha INTIMATE WASH【FOAM TYPE】ダマスクローズとゼラニウムの香り(※)の発売を記念し、オンラインイベントみんなで知ろう! デリケートゾーンケアのいろはVol.2〜専門医に聞く!出産前後のデリケートゾーンケア~を2022年4月15日に開催しました。

 

出産を検討している方や妊娠中の方、出産を経験された方から実際に寄せられたご質問やお悩みについて、婦人形成外科の喜田直江先生にお話をうかがい、参加者の皆様からご好評いただきました。

 

今回は、イベントの内容をもとに、主に出産検討中の方から寄せられたデリケートゾーンケアにまつわるQ&Aをお届けします。

※iroha INTIMATE WASH【FOAM TYPE】ダマスクローズとゼラニウムの香りは、公式オンラインストアでは完売しております。現在は、iroha STORE大丸梅田店やirohaのポップアップストア、TENGA STORE TOKYOのポップアップストアなど、一部の実店舗で販売しております。

Index

デリケートゾーンケアってなに?

デリケートゾーンケアとは、専用のソープでデリケートゾーン(外陰部周辺)を洗浄したり、化粧水や乳液などで保湿をしたりすることで、デリケートゾーンを清潔にし、健やかなpH値(※)を保つことを指します。

 

デリケートゾーンケアはなぜ必要?

デリケートゾーン(外陰部周辺)の適切なpH値は大体3~6と言われていますが、蒸れや熱のこもり、摩擦や乾燥等の様々な要因で、pH値が高くなります。

 

デリケートゾーンのpH値が高まり、アルカリ性に近くなると、皮膚が本来持っている自浄作用が働きにくくなり、雑菌が増殖。においやかゆみが発生しやすくなる一因となります。健やかなpH値を保つためには、適切なお手入れを生活習慣として身につけることが大切です。

 

※pHは酸性からアルカリ性の間に0~14の目盛りをつけ、酸・アルカリの度合いをその目盛りの数字で表すものです。pH7を中性とし、それ未満を酸性、それより大きければアルカリ性としています。

【Q&A】出産検討中の方からの質問編

出産前後でデリケートゾーンの効果的な洗い方、保湿方法に変化はあるでしょうか? 将来出産を検討しているので、いまからどのような点に注意しておいたほうがよいか知りたいです。

出産前後で、効果的なデリケートゾーンの洗い方は基本的に変わりません。基本的には専用ソープを使用し、膣内は洗わず、デリケートゾーンの外側のみを優しく洗ってください。デリケートゾーンが乾燥しやすい方は、かゆみ対策として保湿も重要です。お顔と一緒で、洗浄後に保湿してあげるとよりよいでしょう。

将来的に出産を検討しています。今から出産に向けてやっておいたほうがよいケアは何かありますか? また、使用を控えたほうがよい成分などはありますか?

妊娠中は腹部が圧迫されたり、出産後は筋肉がゆるんだりして尿漏れしやすくなります。骨盤底筋のトレーニングを兼ねた「ケーゲル体操」など、筋力トレーニングはぜひ妊娠前から実践したほうがよいでしょう。

最近「膣トレ」も話題ですが、ケーゲル体操は、どこでもできるのがメリットです。尿道や膣、肛門をお腹の中心にぎゅーっと寄せ集めるようにして力を入れ、10秒間キープ。一連の流れを複数回続けます。ぜひ日々の日課として継続してみてください。

普段からデリケートゾーンの臭いが気になるのですが、ホルモンバランスによってさらに臭くなることはあるのでしょうか。将来的に出産を検討していて、気になります。現在でも1日に2回、デリケートゾーンを洗浄しているのですが、妊娠後にはもっと念入りに洗う必要がありますか?

妊娠によって、デリケートゾーンが臭くなることはほとんどありません。また、デリケートゾーンの洗浄は、基本的には1日1回で十分です。専用ソープでデリケートゾーンの外側を洗えばOK。この際に膣内まで洗ってしまうと、内部の酸のバランスが崩れてしまい、かえって逆効果になることもあります。

免疫力低下により、膣カンジダなどの膣炎を発症しやすくなる可能性もあるので、正しいお手入れを心がけてみてください。もし、おりものの量などが気になる場合には、「おりものシート」などで対応を。

 

 

おりものの量が多く、おりもの用ナプキンをしていないと精神的に不安になります。ですが、「ナプキンをしていると細菌が繁殖してしまうのでよくない」と言われたことも。ナプキンなしの生活をしてみたのですが、どうしてもナプキンがないことに耐えられません。どのように対処したらよいでしょうか? 将来的に出産を検討しています。

おりもの用ナプキンの使用で雑菌が繁殖することはないので、気になる際には使用して構いません。「ナプキンの利用=雑菌増殖」ではなく、汚れたナプキンを使用し続けていると、雑菌が繁殖しやすくなります。こまめにナプキンを取り替えるなどして、デリケートゾーンを清潔に保ちましょう。

また、おりものの量は個人差や、生理周期による増減があります。ご自身の正常時の量を把握しておき、異常を感じる場合には、医療機関での検査をおすすめします。

 

生理中や脱毛処理後など、とくに肌が敏感な時期にデリケートゾーンを洗う際、とくに気をつけたほうがよいことはありますか?

デリケートゾーンに痛みや沁みを感じないようであれば、どのような専用品を利用しても構いません。外側部分を優しく、専用ソープで洗ってください。ご自身の無理ない範囲で、利用してみてくださいね。

 

将来的に出産を検討しています。「会陰切開」がよく分からず、怖いなと思っているのですが、いまから何か準備できることはありますか? また、出産後、会陰切開の影響で性交痛を感じるようになった場合にはどのようにケアをすればよいでしょうか。

「会陰切開」と聞くと、どこか怖い印象を受けますよね。産前準備としては、妊娠中から専用オイルでマッサージをすることで、会陰部の皮膚が伸びやすくなり、出産後の傷も最小限で済む可能性が高くなります。赤ちゃんの頭部が大きい場合には切開が必要になる場合もありますが、会陰部がより伸びやすいようであれば、その分切開しなくても済むケースもあります。

また、産後の性交渉では、傷の回復までは多少の痛さが続くこともあり、しばらくの間、性交渉自体ができないという方もいます。ご自身の傷の回復を考慮しながら、徐々に再開してみてください。性交痛対策としては、潤滑ジェル(※)を使用し滑りをよくすることで、痛みの軽減に繋がります。

 

※TENGAヘルスケア「MOISTCARE GEL」(多くの潤滑剤・ローションは雑品または化粧品に分類されていますが、モイストケアジェルは医薬部外品。厚生労働省に有効かつ安全であると認められた成分が、一定の濃度で配合されています)もおすすめです。

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