おうちで観れちゃう iroha広報オススメ「ちょっぴりニッチでセクシーな映画」3選
みなさんこんにちは。
iroha広報のいぬいぬこと、犬飼と申します。
今回、ありがたいことにiro iro irohaの中で「好きなように(?)記事を書いていいよ」と嬉しいお許しが出たので、私の独断と偏見で好きなことをご紹介していく不定期連載記事を書いていこうと思います!いえ~~~い!!!
とはいえ、ここでいきなり「犬飼のオススメ餃子屋5選」をご紹介するのもアレなので…。
irohaの広報として、「みなさんにオススメしたいちょっぴりセクシーなアレコレ」を書いていこうと思います。
ということで、記念すべき第一回目のテーマは、犬飼が普段から大好きな「映画」。
「ちょっぴりセクシーな映画」についてご紹介します!
※本記事には紹介作品に関するネタバレ表現がいくつかございますのでご注意ください。
対象作品:「ジョーカー」「レオン」「哀れなるものたち」
犬飼幸
iroha PR担当
女性の性や恋愛事情に関する記事を執筆する「エロライター」として大学生の時から活動。
新卒でPR会社に入社後もライターとして働き、2019年株式会社TENGAに広報として入社。
現在はirohaやINTIMATE CAREを中心としたブランドの広報・PRを担当。
趣味は音楽フェスで踊ることと仕事帰りに巨大なポップコーンを抱えて一人で映画を観て号泣すること。
自称「根暗な陽キャ」として相反する感情と日々向き合っています。
Index
iroha広報がオススメする「ちょっぴりニッチでセクシーな映画」
「セクシーな映画」ってなんだろう?
いわゆる「濡れ場」が多いピンク映画もあれば、直接的な性描写はないけれど、観ていてなんだかドキドキしてしまう作品や、世界観がセクシーな映画…。
一口に「セクシー」といっても、捉え方やその日の気分、なんなら好きなタイプや性的趣向によっても感じ方はバラバラ。
私、犬飼の思う「セクシー」は、ズバリ「ギャップ」。
役柄に与えられた分かりやすいキャラクターと、ストーリーが進むにつれて明かされるバックグラウンドとのギャップが大きければ大きいほどセクシーさを感じるんです…!
ということで、ここでは完全に犬飼の独断と偏見で「ギャップ萌え」な視点から見た「オススメのちょっぴりニッチでセクシーな映画」を紹介していきます。
1、ジョーカー(R15+)
(Netflixにて配信中 ※2024年5月現在)
舞台は1981年のゴッサム・シティ。大都市でありながらも、財政の崩壊により街には失業者や犯罪者があふれ、貧富の差は大きくなるばかり。
そんな荒廃した街に住む道化師、アーサー・フレックは、派遣ピエロとしてわずかな金を稼ぎながら、年老いた母親とつつましい生活を送っていた。
彼は緊張すると発作的に笑い出してしまう病気のため定期的にカウンセリングを受け、大量の精神安定剤を手放せない自身の現状に苦しんでいる。
しかしそんなアーサーには一流のコメディアンになるという夢があった…。
引用:ウィキペディアより
ホアキン・フェニックスが演じる主人公アーサーは、映画序盤では正直「冴えない男」感が満載で、彼にはどうすることもできない理由から、見ているこちらが苦しくなってしまうほど絶望的な生活を強いられています。
そんなアーサーがとあることをきっかけに、映画のポスターにもなっている「ジョーカー」の姿へと変貌していくのですが、その変身したアーサーの佇まいや言動が、序盤の彼からは想像もつかないほどとにかくセクシーなんです。
アーサーの行動自体は決して褒められたものではないので、行為自体がセクシーという意味では決してないのですが、この「全てをあきらめ逃げる場所も帰る場所もないと覚悟し狂気に飲み込まれながらもどこか悲しみをはらんだ姿」と、それを演じるホアキン・フェニックス自身の隠せぬセクシーさが相乗効果を生み、私の目には「セクシーの化け物」が生まれたように映りました…(ここまで早口)
映画の内容自体はグロめの描写も多いため、得意不得意が分かれそうですが、演技派俳優の絶望の先に滲みでるセクシーさに溺れたい方にぜひオススメです!
2、レオン(PG12)
(Netflix・U-NEXTにて配信中 ※2024年5月現在)
外出中に家族を惨殺された12歳の少女・マチルダは、隣に住んでいる男・レオンに助けを求める。
レオンが凄腕の殺し屋であることを知り、そして彼の言葉に共感を覚えたマチルダは、殺しの技術を教えてほしいと願い出る。
そして奇妙な同居生活を始めた2人は、次第に心を通わせていく…。
引用:映画紹介マンガより
ストーリーの切なさや美しさはもちろんのこと、作中に出てくるマチルダのファッションや映画自体の世界観のおしゃれさからファンが多い作品。
そんな映画「レオン」のどこがセクシーかと言いますと…。
この辺りから犬飼の性癖がモロにバレそうですが、作中でマチルダの敵となる麻薬取締局の刑事役「スタンス・フィールド」を演じるゲイリー・オールドマンがとにかく、とにかくエロ過ぎるんです…!
飄々として掴みどころのない立ち振る舞いと、その中に潜む狂気性、表向きは「麻薬取締局の刑事」という善人の仮面をかぶりながらも、裏ではとんでもないことをやらかすそのギャップを含めてめちゃくちゃエロい…っ
(この辺りでバレますが、犬飼は現在も大病である「中二病」を患っているため、この「ダークな脇役」にしばしば惹かれる傾向にあります)
(麻薬取締局の刑事のくせに)麻薬で一発キメてるシーンなんて…これ子どもが見ていいやつ!?なにその表情!?と思わず突っ込みそうになるほどエロいです。
また、当時12歳という若さでスクリーンデビューをし、12歳とはとても思えない色気で観客を魅了したマチルダを演じたナタリー・ポートマンの迫真の演技と、醸し出す謎の気だるさ、そしてセクシーさも見どころの一つです。
3、哀れなるものたち(R18)
(Disney+にて配信中 ※2024年5月現在)
天才外科医によって蘇った若き女性ベラは、未知なる世界を知るため、大陸横断の冒険に出る。
時代の偏見から解き放たれ、平等と解放を知ったベラは驚くべき成長を遂げる。
まず、映画を観た感想は「これはR18にもなるわ…」でした。
とにかく性描写が多い!多いというか体感で8割方、主人公ベラがセックスかセルフプレジャーをしています。
この映画はirohaの同僚たちと観に行ったのですが、あまりにもそういったシーンが多かったため、戸惑っている様子が両サイドから漂っていました(私も戸惑った)。
その中でも最も我々に戸惑いを与えたのが、主人公ベラが初めてセルフプレジャーをするシーン。
欲望のままに生きるベラは「性器に何かを入れると気持ちいいかも」と本能的に察したようで、手あたり次第、目についたものを性器へと差し込んでいくのですが、差し込まれたアイテムがあまりにも的外れで一同驚き…!
そんなに長いシーンでもないので、他の方がどう感じたかは分かりませんが、こればかりはirohaで働く性といいますか、思わず「そんなの入らないよねwww」と鑑賞後のリンガーハットで語り合いました。
作品自体は性描写が多いものの、主題は性欲も含めて本能の赴くままに生きるベラが世界とつながることで人間として成長を遂げていくという成長ストーリー。
彼女自身の魅力に多くの男性たちが吸い寄せられ、一見ベラを食い物にしていくようにも見えますが、その実、男性たちがベラに食われている…という展開には、何とも言えないゾクゾク感があります。
作品のテーマからセクシーさを感じても良し。エマ・ストーン(ベラ役)の体当たりの濡れ場にセクシーさを感じても良し。観た人とぜひ語り合いたい作品です。
セクシーも難しい…!時代で変わる表現って?
ちょっぴりセクシーな映画を3つご紹介しましたが、ここで、「セクシーな映画がどうやって作られてきたのか」について、時代の流れと共にご紹介したいと思います。
キスシーンが3秒まで!アメリカ映画、厳しい~!!
まずはアメリカ映画の検閲制度である「ヘイズ・コード」。
元々アメリカでは、カトリックの影響もあり、映画の性描写については厳しい傾向にありました。
カトリックの要求を受けて、アメリカ映画製作配給業者協会が1934年に制定したアメリカ映画の表現の自主規制倫理規定「ヘイズ・コード」では、「キスシーンは3秒まで」「殺人シーンを映すのはNG」「男女が共にベッドに入るのはNG」など、様々な厳しい撮影条件が設けられていました。
そのため、当時の映画製作者は、その規制コードを上手くかいくぐって映画を製作しなければいけず、例えば『汚名』という映画では主役のカップルのキスシーンを3秒以内に何度もおこなうことで計2分30秒の長尺でキスシーンを撮影するなど、検閲をかいくぐる涙ぐましい努力を行っていたようです。
TVで見られない性描写を映画に求めるように
映画における性描写がオープンになったのは、1960年代からで、面白いことに、その傾向はどの国でも共通していました。
その背景として、1950年台後半から始まった、フランスにおける映画革命「ヌーヴェル・ヴァーグ」が各国の映画業界に影響を与えたこともありますが、一番大きな原因としては、TVの普及です。
1950年代からTVが急速に普及したことで、映画産業が衰退。
映画館に行く理由となるコンテンツとして、TVでは観ることができない性描写のある映画に観客が集まるようになったのです。
年齢区分誕生により、二極化傾向に
その後、アメリカでは「ヘイズ・コード」が廃止され、鑑賞にあたって年齢区分をするための「レーティング制度」※が導入されたことにより、かえってハードな性描写がある映画が制作されるようになりました。
全年代向けには「誰もが楽しめるエンタメ作品」、特定層向けに「ハードコアな性描写がある作品」と、ニ極化されていきました。
※全年齢鑑賞可能=G,小学生の鑑賞にあたり助言、指導が必要=PG12
15歳以上が鑑賞可能=PG15,18歳以上が鑑賞可能=PG18といった形で、年齢別で鑑賞できる映画を事前に区分けする制度
ピンク映画は日本映画監督の登竜門だった?
日本では、性描写のある映画は才能ある映画人の発掘に大きく寄与しました。
当時、大手以外の映画製作会社への就職は狭き門となっており、そうした中で意欲がある監督が撮影できるのは、比較的低予算で製作が出来るポルノ映画でした。
特に映画配給会社「日活」で製作されたポルノ映画は「日活ロマンポルノ」と呼ばれ、『セーラー服と機関銃』の相米慎二監督や、『おくりびと』の滝田洋二郎監督などそうそうたるメンツを輩出しました。
こうした作家群による「エロス」を媒介にしつつも当時の社会へのメッセージを込めた作品群の中には、今でも語り継がれる名作もあります。
映画評論家がオススメする「セクシーな映画」
最後に映画評論家の方々がオススメする「セクシー映画」をご紹介します。
『her/世界でひとつの彼女』(2013年公開/アメリカ)
映画ジャーナリスト・金原由佳さん推薦
PCやスマートフォンでいつでもサマンサの声にアクセスでき、AIが会話の蓄積からどんどん学習していく。
サマンサの声を担当しているスカーレット・ヨハンソンのウィスパーボイスが実に艶めかしく、体に絡みつくかのようで、彼女の声なしでは日常生活が送れないほど依存するホアキンの一人芝居が実にリアルで、その孤独が胸に迫ってくる。
『魚影の群れ』(1983年公開)
映画系ライター・千浦遼さん推薦
ズボンも脱ぎきらない半ケツ状態で前戯もなしにする佐藤浩市と夏目雅子のセックスが激しく荒々しく印象深い。
男の若さと身勝手さが表れているが、“半ケツ”での性交は映倫審査において全脱ぎよりもエロ度が低く判定される効果もあるそうで、監督相米慎二が助監督を務めていたロマンポルノにおいて常套表現だった。
……いや、余計にいやらしく感じますが。
『ハイ・ライフ』(2018年公開/ドイツ・フランス・イギリス・ポーランド・アメリカ)
映画評論家・北川れい子さん推薦
10人足らずの男女のクルーは全員重罪人で、性交渉は厳禁、代わりにオナニー部屋が。
この部屋で、医師(ジュリエット・ビノシュ)が自慰をするのだが、裸の背中の動きを中心にしたその激しさは、こちらまで粛然とするほど。
映画でセクシーも悪くない
映画とは究極の没入体験だと私は思っています。
たかだか2時間。されど2時間。
このわずかな時間の中で凝縮され作りだされた架空の世界は、私達を思ってもみなかった世界に連れ出し、想像もしなかった新しい価値観とめぐり合わせてくれます。
今回はそんな映画の世界の中で「セクシーさ」に出会える作品をご紹介しました。
もしかしたら「この作品はこういうことじゃない!」というご意見もあるかもしれません。ですが、そういう「私はこう思う/僕はこう思わない」という議論が起こるところもまた、映画の素晴らしいところ。
ぜひみなさんの「オススメ(ニッチな)セクシー映画」も知りたいなあと感じる犬飼でした。
参考:月刊TENGA21号より