女性ホルモンとセルフプレジャー/松村圭子先生
松村圭子先生
成城松村クリニック院長
1995年 広島大学医学部卒業、同産婦人科学教室入局。日本産科婦人科学会専門医、日本補完代替医療学会学識医。
現、成城松村クリニック院長。婦人科疾患のみならず、女性の身体のトータルケアをサポート。著書に、『ずぼらちゃんのSEXバイブル~女性ホルモンで愛されるからだ(体の中からキレイ!!シリーズ) 』など。
成城松村クリニック:http://seijo-keikoclub.com/
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セルフプレジャーをするとリラックスする女性が多いようですが、具体的な根拠はあるのでしょうか?
自律神経によるものです。セルフプレジャーの快感により副交感神経が優位になることがリラックスをもたらします。
女性が「セルフプレジャーをするとリラックスする」と感じるのはこのためですね。
リラックスもしますし、血行も良くなるので、そういった意味でも快感を感じるのでしょう。
女性ホルモンとセルフプレジャーの関連性についてお聞かせ下さい。
セルフプレジャーは、自律神経のバランスを整え、ひいてはホルモンバランスも整えてくれるリラクゼーションといえますね。
現代のようなストレス社会になると、どうしてもストレスフルな環境のため自律神経のなかでも交感神経が優位になりがちです。しかし、セックスやセルフプレジャーで快感を得ている時というのは、それとは反対に副交感神経が優位になっている状態です。
副交感神経が優位になって心身ともにリラックスできると、自律神経のバランスがとれてきます。それに連動して女性ホルモンのバランスも整ってきます。
※自律神経とは、外界からの刺激や情報に反応して、からだの機能をコントロールする神経のことです。活動時、ストレス状態時に働く交感神経と、休息時、リラックスしている時に働く副交感神経の2つからなり、 この2つの神経のバランスが崩れるとめまいや情緒不安定といった身体的、精神的な症状が現れます。
セルフプレジャーの頻度が高いと何か問題がありますか?
間違ったやりかたでなければ頻度の高い低いはなんの問題もありません。
昔は「セルフプレジャーをすると馬鹿になる」などと言われましたが、 これは親がそういって子供をセルフプレジャーから遠ざけようとしただけで、医学的にはなんの根拠もない言説です。
間違ったやりかたでなければ頻度の高い低いはなんの問題もありません。頻度よりも、清潔を保つ、デリケードゾーンの肌を傷つけないようにする、といったケアの方が大切です。
生理前にセルフプレジャーをすると下腹部が痛くなることがあるのですが、原因はなんなのでしょうか?
血行の問題から痛みを引き起こすのかもしれません。
月経前というのは骨盤のあたりに血液が充満して月経の準備をしているので血流が滞りやすい状態です。また、性の反応は充血をベースとしており、オーガズムを感じる際には局所への充血とともに、一定間隔での筋肉の収縮が起きます。
セルフプレジャーを行わなくても生理前になるとお腹が痛くなるという人もいますし、血が滞りやすい時期にセルフプレジャーでさらに充血が起きると、負荷が大きくなり、血行の問題から痛みを引き起こすのかもしれません。
最後に、松村先生がおすすめする女性のセルフケアとは何ですか?
何か大掛かりなことをしなくても、日々の小さな積み重ねが大切です。
女性の病気は、「定期的に検診をしていれば」、「もっと早くに検診をしていればよかったのに」、ということがとても多くあります。例えば子宮頸がんなどは初期にはほとんど症状が出ないので、定期的に検診を行い、早期に発見・治療することがとても重要です。定期的な検診が女性の体を守ってくれるといっても良いでしょう。
特に婦人科は行きにくい、なんとなく敷居が高いといった印象がありますが、普段からかかりつけの婦人科を持っておけばちょっとしたことでも相談しやすくなります。また、頭痛、腰痛などちょっとした不調をほうっておかない。夜更かしをしない、朝ごはんをちゃんと食べる、身体を動かす、といった小さなケアの積み重ねが、キレイと健康を維持する事になりますね。