アンバサダーに水原希子さんが就任! iroha10周年記念記者発表会【イベントレポート】
2023年3月3日で、ブランド誕生から10周年を迎えた「iroha」(イロハ)。
長くタブー視されてきた女性の性について、もっとオープンに、自分ごととして誰もが楽しめるものに変えていく。
そんなビジョンを掲げて、女性社員たちによって生まれたブランドの歩みを振り返りながら、10周年を記念したサプライズ発表も! irohaのことを心から愛してくださっている、アンバサダーの水原希子さんをお迎えして、女性の性にまつわる変化やコラボアイテムの発表など、たっぷりお話した様子をお届けします。
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iroha誕生まで約3年。それから10年。女性にも性の話を自分ごととしてとらえてもらいたい。
まずは、irohaのこれまでとこれからについて、irohaに携わる女性社員を代表して、アートディレクターの渡辺裕子、広報部長の西野芙美、事業部長の青城里圭子の3名がステージに登場しました。
(左から)渡辺・西野・青城
irohaの草案が立ち上がったのは、2010年。
当時は女性の性の話はタブー視され、男性と違い、女性はまるで「性的な欲求がない存在」のように扱われてきました。セルフプレジャーアイテムに関する国内外の調査を行うと、ほとんどが男性目線で、女性の身体を思いやったサイズや機能のものがありませんでした。
「女性が求めているものはどんなものだろう?」
女性の声に耳を傾けると、「オーガズムだけじゃなくてリラックスのために使いたい」という意見がありました。その声を無視せず、女性たちが心から「欲しい!」と思えるものを作りたい。そんな思いで3年ほどの時間をかけて「iroha」が誕生しました。
製品開発当初のラフスケッチや参考資料
しかし、そもそも女性同士でも性の話はしづらい状況がありました。自分なりの気持ちよさを見つけてもらうためには、女性たちにも性の話を“自分ごと”としてとらえてもらい、オープンに話せる社会を作っていかなければいけない。そんな思いで、「マスターベーション」という言葉を再定義し、「自分なりのよろこびを見つける行為=セルフプレジャー」とよぶことに。
irohaのステートメントは「女性らしくを、新しく」。
性に受動的な女性ではなく、能動的に関わる女性になるきっかけの一つとして存在することで、“女性らしさ”の概念を塗り替えたいという熱い思いを持っていました。
irohaが製品開発をする上で大事にしたことは、女性の日常に寄り添うアイテムにすること。
かわいらしい形、指先のような親近感を感じるやわらかい素材、部屋に馴染む色合いなど、セルフプレジャーアイテムが初めての方でも手に取りやすいように工夫を凝らしてきたと3人は話します。
セルフプレジャーは、自分とのやさしい対話。社員それぞれの“推しiroha”も発表。
irohaは10年かけて全17種類、47アイテムを発表してきました。
「社員それぞれ“推しiroha”がある」(西野)というほど、そのラインナップは個性豊か。
青城のおすすめは「iroha+(YORUKUJIRA)」。
添わせたり、挟んだり、多彩な刺激を楽しめます。
渡辺は3月3日にリニューアルしたばかりの「iroha YUKIDARUMA」がおすすめ。
ソフトな肌ざわりで身体のあたりがやさしいアイテムです。
西野のおすすめは「iroha petit」。
98%が水分でできている新触感の使い捨てアイテムで、はじめての人にも手にしやすいお手頃価格です。
それぞれの気持ちよさに寄り添うように、挿入するタイプからあてがうもの、カップル利用できるものまでアイテムの幅も広がっていきました。それは「セルフプレジャーを『セルフケア』としてとらえることで、視野が広がってきたからです」と西野は話します。
しかし、irohaの想いが届くまでの道のりは険しいまま。自信作を発表しても、プロダクトが必要な人に届いたり、社会の認識を変えたりすることは難しいものでした。
転機となったのは、2018年に開催した大丸梅田店のirohaポップアップストア。
「百貨店にセルフプレジャーアイテムが置かれる」という、前例にないできごとでした。集客は未知数でしたが、蓋を開けてみると13日間で1,500名ものお客様が来てくださる大盛況ぶり! 「これ可愛い」「こっちの色が好きだな」とコスメを選ぶように、楽しく手にとってくれる姿は感慨深いものでした。
女性の性の見られ方が変わってきたのは、その頃のこと。
ある情報番組では、「女性が自身のプレジャーについて考えることは、はしたないことではない。自分で自分の体を知って、プレジャーを得ることは、人生をより豊かにしてくれる」という発言もあり、次第にセルフプレジャーとは「自分だけの特別な時間、自分の身体とのやさしい対話」だという認識が広まるようになりました。
女性らしさにとらわれない、もっと広い思いを込めて。新ステートメント「LOVE MY COLOR きもちよさを、自分らしく。」
「女性の性について、もっとオープンに、自分ごととして誰もが楽しめるものに変えていく」。
そんなirohaの思いは、社会に少しずつ浸透してきました。オーガズムのためだけではなく、日常の癒しの存在として女性の毎日に迎え入れられるようになった。その変化は、大きなものです。
実際に、常設店であるiroha STORE 大丸梅田店をはじめ、irohaアイテムを取り扱うお店は、10年間で2802店舗に広がりました。さらにデリケートゾーンのケアアイテムブランド「iroha INTIMATE CARE」(イロハ インティメートケア)の取扱店舗は、約5年間で1万店舗を超えました。(※2023年3月時点)
それはデリケートゾーンを専用アイテムでケアすることが一般的になりつつあり、身体に関心のある人が増えているということ。ひとりとして同じ悩みはなく、店舗スタッフやメールに寄せられる声の年齢層は上が70、80代までと幅広く、悩みも多岐に渡るようになってきました。
それまで女性たちが社会から求められ、自ら受け入れてきた「女性らしさ」を新しいものに塗り替えたい。女性もひとりの人間として、当たり前に性と向き合っていける世の中を作りたい。
そんな想いから一歩踏み込むときが来たのではないか。irohaに携わる女性社員20名で何度も話し合い、ステートメントを刷新することにしました。女性らしさにとらわれず、一人ひとりが自分だけの気持ちよさを、もっと自由に楽しめるように。
新たなステートメントは「LOVE MY COLOR きもちよさを、自分らしく。」です。
女性の身体は初潮を迎えると、生理、PMS、思春期、妊娠出産、更年期と女性ホルモンに振り回され続けます。
会の最後に、ブランドとしての新たな決意を表明した青城。「忙しない日々を送る女性たちに今まで以上に寄り添い、豊かな人生を支えるための『フェムケアブランド』として、新しい製品やサービスを提案していきます」。
10周年記念アンバサダーに水原希子さんをお迎え! iroha愛が炸裂したトークセッション。
新たな思いを掲げて次なるステージに進むために、irohaは力強いパートナーをお迎えすることに。かねてよりirohaのファンでもある水原希子さんを、10周年記念アンバサダーにお迎えしました! 水原さんと、広報部長の西野芙美、グラフィックデザイナーの本田みつきによるトークの様子をお届けします。
(左より)西野・水原希子さん・本田
水原さんがirohaと出会ったのは、発売されてすぐのこと。
「irohaが発売された2013年当時、お店で手に取ったんです。かわいらしいデザインとやさしいさわり心地で、ひと目で女性向けのセルフプレジャーアイテムだとわかるのが感動的でした」。
irohaファンになった水原さんは、自身が企画・出演・監修をつとめたAmazon Primeで放送中のエンターテイメント番組「キコキカク」で、TENGA本社を訪れてくださいました。
「ずっと好きだったirohaの方から、今日の発表会のような歩みや開発の話を聞けてすごく楽しかったし、開発の方の情熱も感じてますますirohaが好きになりました。女子会みたいな感じですごく盛り上がって、視聴者さんからの反響も大きかったんです。そこで、やっぱりまだまだ友だち同士でも話しづらかったり、とくにメディアで扱う機会はほぼなかったのかなと思いました」。
先陣を切って、メディアでも積極的に「セルフプレジャー」について発信してくれている水原さん。3月3日の読売新聞朝刊に水原希子さんを起用したirohaのブランド広告を掲出しましたが、実は、プレジャーアイテムが新聞広告を出すのは日本ではじめての取り組み。
3月3日の #読売新聞 朝刊に #iroha の広告が掲載されました。
10周年を迎えた同ブランドのアンバサダーには #水原希子 さんが就任。
「女性の性」に真摯に向き合うirohaの想いが込められています。@iroha_PR pic.twitter.com/vLiOmVGpi1— 読売新聞社広告局 (@yomiojo) March 10, 2023
読売新聞社広告局公式Twitterより
irohaにとっても一大決心だった今回の依頼について西野は「性の話を特別なことではなく、日常的な話題として話してくださっている。ご自身もつねに等身大で飾らず、そうしたオープンな姿は日本の女性たちを元気づけていると思います」と、水原さんにお願いした経緯を話しました。
アンバサダーに就任した感想を、「率直にすごくうれしかったです!」と話してくれた水原さん。新しくirohaが掲げたイメージコピー「性を楽しむ。女性であることを楽しむ。私の人生を豊かにできるのは私だ。」という言葉は、水原さんがふだん思っていることそのものだと、強く共感してくれたそうです。
水原さんがirohaとコラボ製品を開発!
アンバサダーとして活躍いただくほか、irohaとのコラボ製品の開発にも携わっていただいていることを発表! 会場からも拍手が沸きました。
プレジャーアイテムの製品開発に関わった感想について水原さんは、「振動のパターンの多さや、製品本体の色の作り方など、デザインに対するirohaの追求心やストイックさを感じて、言葉を失うほど驚きました」と熱弁。
とくに、惹かれたのはデザインの設計だと水原さん。
「意外とアナログな工程が、いいなと思うポイントでした。色の作り方が印象的で、本体に直接絵の具で色を塗りながら、絶妙な色の加減を調整してデザインされていることを知り、そこにirohaのときめきの秘密があるんだなと思いました」。
製品開発も、和気あいあいとした様子。ふだん愛用してくださっているからこそ、irohaへの愛とライフワークから発見される水原さんの「好き」がつまったアイテムを開発中だと打ち明けてくれました。
インスピレーションを受けたのは、水原さんが生活の中で大切にしている存在の「自然」や「海」。そこから振動パターンや本体色を選択しました。本田は「水原さんならではの視点やいろいろなアイデアが飛び出して、私たちもヒントをたくさんもらいました。すごくクリエイティブな現場だったと思います」と当時を振り返りました。
話すことで、学んだことをシェアしたり悩みを解決できたりする。
最後に、今後の女性の性を取り巻く環境の変化について水原さんに質問を投げかけると、家族や友だちを通じて感じている率直な思いを話してくださいました。
「世界的にみても女性の性の話はタブー視されてきました。だけど、性の話は健康の側面でもすごく大事なこと。個人的に感じた大きな変化として、母とそういう話ができるようになりました。母も世代的に、性の話をすると恥ずかしくて逃げてしまう年代。ですが、母に疾患が見つかったことで、自分の身体を知ることの必要性を感じ、お互いにオープンに話せるようになりました。私たち家族だけじゃなく、社会としても近年になってようやく話されるようになり、個人的な実感としていい傾向だなと思っています」。
女性の性についてオープンに話すこと。知識や悩みを共有することは、ハッピーに生きていくために必要なことだと話す水原さん。
「話すことで、学んだことをシェアしたり悩みを解決できたりする。私も、友だちが『実は…』と打ち明けてくれたら、自分の実体験を話す心算ができます。自分のことは自分だけで解決するのは限界があって、お互いに手を取り合って、一緒に乗り越えていくためにも性の話をする機会がもっと増えていってほしいと思っています。それは、女性に限らず共生する男性にも伝わってほしいことです」。
最後に、アンバサダーとして水原さんがメッセージをくださいました。
「ずっと好きだったirohaのアンバサダーとして、新しい取り組みを一緒に行っていけることが本当にうれしいです。セルフプレジャーは私たちにとって、とても大切なこと。私がアンバサダーとして発信することで、たくさんの女性たちがセルフプレジャーについて大切な人と話せるようになったらいいなと思います」。
さまざまな壁を乗り越えて、10年目を迎えることができたiroha。
会場にはたくさんの記者が集まり、アイテムを触ったり話したりと、女性の性についてオープンに考える場がそこにありました。節目となる晴れやかな日、ここからまたirohaは心強いパートナーと共に、新しい一歩を踏み出します。