更年期のセックスのお悩み | 原因と対策・楽しむためのポイントも紹介

 

更年期は、多くの女性にとって大きな転換期です。

 

ホルモンバランスの変動によって身体的、精神的な変化が起こり、セックスをはじめとした性生活にも影響が生じます。

 

この記事では、更年期におけるセックスのよくあるお悩みと原因、更年期のセックスの注意点や、よりセックスを楽しくするための方法について詳しく解説します。

 

 

更年期とは？ セックスに関する身体と心の変化

 

更年期とは、閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた10年間を指します。平均的に45～55歳の間に訪れることがほとんどです。

 

この時期は、エストロゲンなどの女性ホルモンの分泌が減少し、身体や精神にさまざまな変化が生じます。

 

ホットフラッシュや不眠、気分の変動などが典型的な症状で、これらをまとめて「更年期症状」と呼び、生活に支障が出るほど強い症状が出ている状態を「更年期障害」と呼びます。

 

また、更年期を迎えると、女性はホルモンバランスによる「身体」「精神」の2つの変化とともに、セックスに向き合うことになります。

 

どのような変化があるかを解説します。

 

 

身体的な変化 | 性交痛を感じやすくなる

更年期にはエストロゲンの分泌が減少します。エストロゲンは、血管や骨などを健康な状態に保ち、コラーゲンの生成を促進する女性ホルモンです。

 

エストロゲンが低下すると、膣の乾燥や、膣が薄くなることによる弾力性の低下につながります。

 

膣や外陰部が萎縮・乾燥すると、摩擦刺激などですぐに傷付きやすい状態になり、セックス時に痛み（性交痛）を感じるケースも多くあります。

 

また、性的興奮が高まっていても膣潤滑液が20代や30代の頃のように分泌されないため、いわゆる「濡れにくい」状態になり、性交痛を引き起こします。

 

 

精神的な変化 | 性欲減退・増幅

エストロゲンは、幸せホルモンと呼ばれている「セロトニン」、やる気や集中力を出す「ノルアドレナリン」の分泌とも深く関わっています。

 

そのため、分泌が減少すると「イライラする」「憂鬱な気持ちになる」「やる気が出ない」などの精神的な変化が起こります。更年期には気分の変動や不安、うつ症状が見られることが多く、セックスに対する意欲が低下する場合があります。

 

一方で、女性ホルモンが減少することで、これまで分泌されていた男性ホルモンの働きが優位になり、性欲が強くなる女性も一定数存在します。

 

性欲の減退と増幅は、どちらも異常な反応ではありません。

 

 

更年期のセックスに関するお悩みと原因・対処法

 

更年期に入り、これまでにはなかったセックスの悩みに直面する女性は少なくありません。具体的には下記のようなお悩みです。

 

原因と対処法をそれぞれ解説していきます。

 

 

 

性交痛がある

エストロゲンの減少により膣粘膜が萎縮して、セックスの際の指や男性器の摩擦に痛みを感じます。

 

感染症や疾患などによる痛みでない場合は、ジェルなどの潤滑剤の使用や、クリニックで行われるホルモン補充療法で改善が期待できます。

 

 

以前のように濡れない

エストロゲンの低下により膣粘膜の萎縮と共に、膣内の乾燥が起こります。

 

乾燥は「濡れにくさ」につながり、セックス時の不快感や痛みを引き起こすほか、セックス時の雰囲気が盛り上がらない可能性があります。

 

パートナーに自身の身体の変化を伝え、潤滑剤や膣保湿剤を使用してみましょう。

 

 

性欲が湧かない

ホルモンバランスの変化により、更年期には性欲の低下が見られます。性欲だけではなく、周りの物事への意欲が低下する方も少なくありません。

 

また、人生経験の豊富さから「性欲が落ちたわけではないけれども、代わり映えのないセックスに飽きた」といった理由からセックスに発展しないケースもあります。

 

性欲が湧かない時は無理をしないのが一番ですが、マンネリ化によってセックスを遠ざけている場合は、ラブグッズなど新しい刺激を二人で楽しんでみるのもおすすめです。

 

更年期は10年間あるため、時期によって性欲が湧く時と湧かない時の差が大きいほか、ホルモン療法やサプリメントの使用によって、性欲が一定に保たれる方もいます。

 

 

自信の喪失

身体の見た目の変化や閉経を迎えたことが、女性としての自信を喪失するきっかけとなり、セックスから一歩引いてしまう方もいます。

 

また、メディアの影響で「自分はもう落ち着かなくてはいけない年齢なんだ」と自分のイメージを決めつけてしまったり、「セックスしたいけど『いい歳して』と周りに笑われたくない」とセックスへの気持ちを抑制したりしている方もいるかもしれません。

 

しかし、人生100年時代の今日、更年期はちょうど半分を超えた、折り返し地点ともいえる年齢です。もう、と考えるか、まだと考えるかで、今後の生活は大きく変化します。

 

セックスは相手ありきの行為のため、恥ずかしさを感じて自分を上手く解放できない方は、まずはセルフプレジャーで自分の身体の魅力を発掘していくというのも良いでしょう。

 

 

更年期のセックスの注意点

 

更年期のセックスをより快適にするための注意点を紹介します。

 

 

 

いきなり挿入をしない

更年期は膣が乾燥・萎縮し、傷つきやすくなっています。男性器だけでなく、細いラブグッズや指であっても、膣内を傷つける可能性は大いにあります。

 

十分な前戯を行い、きちんと膣が潤うまで時間をかけるほか、必要であれば潤滑剤を導入して無理のない挿入を行いましょう。

 

 

セックスで痛みが出たら無理をしない

痛みを感じた場合は、我慢をせずにセックスを中断しましょう。

 

痛みが続く場合は、膣内が傷ついていたり、疾患が隠れていたりする可能性もあります。不安な場合は医師に相談し、適切な治療や対策を取りましょう。

 

 

お互いの体調を気遣う

更年期の身体や心の変化は、女性だけでなく男性にも訪れることがあります。年の近いパートナーの場合、セックスに誘っても、相手の体調によっては断られるケースがあるかもしれません。

 

しかし断られた場合でも、自分や相手、愛情の変化せいにせず「今日はたまたま体調がベストでなかっただけ。また今度にしよう」と前向きに受け入れるようにしましょう。

 

もちろん、自分が不調な時にセックスに誘われた場合は、身体や心の状態を理由に誘いを断る権利があります。

 

お互いの変化を理解し、共有し合いながらセックスに臨むことで、さらにパートナーシップが深まるでしょう。

 

 

更年期のセックスをより楽しむために

更年期のセックスをより楽しむために、おすすめの方法を解説します。

 

取り入れやすいものからぜひ試してみてください。

 

 

 

潤滑ジェル・ゼリーなど潤滑剤を使う

更年期の膣の萎縮・乾燥による性交痛は、更年期のセックスのお悩みとして多く挙げられます。

 

潤滑ジェルを使用すると、膣に潤いをプラスできるだけでなく、セックス時の摩擦も軽減できます。

 

潤滑ジェルとよく似ていて混同されることも多い「ローション」は、体外に塗って楽しむことを目的としており、膣内への使用が推奨されていない場合があります。

 

性交痛を対策したい場合には、膣内に入れても問題のない潤滑ジェルを選ぶようにしましょう。

 

 

TENGAヘルスケア MOIST CARE GEL（モイストケアジェル）

 

 

日本初の医薬部外品の潤滑ジェルです。一般的な潤滑ジェルと異なり、炎症を抑える有効成分も配合しています。

 

水溶性なので、衣服や寝具についても洗濯をすればシミにならず、すっきりと洗い落せる点もポイントです。

 

 

骨盤底筋トレーニングをする

骨盤底筋を鍛えることで膣のゆるみを防ぎ、セックスでの快感を高めることができます。

 

また、骨盤底筋を鍛えると、更年期に起こりやすい腹圧性尿失禁（お腹に力が入った際に不意に尿が出る症状）や骨盤臓器脱（骨盤臓器が下垂して膣から脱出すること）の予防にもなります。

 

以下の記事では、膣トレ（骨盤底筋トレーニング）の効果や実践方法について詳しく解説しています。

 

膣マッサージで膣内をほぐす

膣マッサージは、膣内の筋肉をほぐし、血流を促進するために有効です。

「骨盤底筋トレーニングをしたいけど、骨盤底筋の力の入れ方がわからない」といった方も、マッサージからトライしてみると感覚を掴みやすいです。

 

指や補助アイテムを使って、優しく膣内をマッサージしましょう。膣マッサージを定期的に行うことで、膣の柔軟性を高め、セックス時の快適さを向上させられます。

 

以下の記事では、膣マッサージの効果や実践方法について詳しく解説しています。

 

 

 

ラブグッズを使用する

更年期を迎えると、セックスがマンネリ化してしまうこともあるのではないでしょうか？ 

 

セックスの質を向上させ、パートナーとの絆を深めるためには、ラブグッズを取り入れて新しい刺激を探求するのも効果的です。

 

いきなり本格的なラブグッズを使用するのに抵抗がある方は、まずは使い捨てのラブグッズを試してみるのもおすすめです。

 

 

iroha petit 4種セット

 

使い捨てで衛生的なラブグッズです。潤いたっぷりのゼリーは程よい硬さで、肌の上やクリトリスなどにも滑り良くご使用いただけます。

 

セックス時にパートナーが気持ちよく感じる部分にあてて刺激するほか、もちろんセルフプレジャーの使用にもピッタリです。

 

 

 

心地良いと感じる体位を選ぶ

身体の変化にともない、心地良いと感じる体位も変わってきます。

 

パートナーとの関係を深めるほか、新しい刺激でマンネリ化を防ぐためにも、パートナーと一緒にさまざまな体位にトライするのもおすすめです。

 

セックス体位の種類やセックスのやり方については、以下でも紹介しているので参考にしてください。

 

 

 

更年期も豊かなセックスライフを

更年期のセックスのお悩みと原因、セックスの注意点や、よりセックスを楽しむ方法について解説しました。

 

更年期のホルモンバランスの変化によって、これまで体感したことのない身体や心の不調や症状が起こり、最初は戸惑いを覚えてしまうかもしれません。

 

今まで以上に自分の心身と向き合えるチャンスであるとポジティブに考え、今回解説したポイントを意識しながら、自分を大切にした素敵な更年期を過ごしましょう。