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性交痛の原因・対処方法とは? 病院を受診する目安も解説│医師監修

性交痛_アイキャッチ

セックス(性交渉)の際に、性交痛を感じて悩んでいませんか。

 

性交痛を感じるようになると、セックス自体に前向きになれず、不安や恐怖につながってしまうかもしれません。

 

性交痛の主な原因は「膣の潤い不足」とされていますが、他にも、体質、心因性のものなどさまざまなことが考えられます。

 

今回は、咲江レディスクリニック院長の丹羽咲江先生の監修のもと、性交痛の原因から対処方法、病院を受診する目安について解説します。

 

性交痛について、一人で悩まずにパートナーと話し合ったり、医療機関で相談するなどして改善を目指しましょう。

 

irohaのアイテムでサポートに役立つものも紹介するのでぜひ、合わせてチェックしてみてくださいね。

 

【記事監修医師】丹羽咲江

丹羽レディスクリニック院長

平成3年3月 名古屋市立大学医学部卒業
平成3年5月  国立名古屋病院勤務(現国立病院機構名古屋医療センター)
平成8年4月 名古屋市立城北病院勤務(現名古屋市立大学医学部附属西部医療センター)
平成14年1月 咲江レディスクリニックを開院

 
診療で特に力を入れているのが性交痛の治療。年齢を問わず全国から性交痛の悩みを持った女性の治療に対応している。また、毎日の診療以外にも、中学校・高校・大学で性教育、その他にも一般女性を対象に「女性の健康」について講演活動、少年院での性教育などを数多く行っている。
 
日本専門医機構産婦人科専門医、日本産婦人科学会産婦人科専門医、日本性感染症学会会員、愛知県産婦人科医会経営委員、愛知県性教育協会会員、NPO:PROUD LIFE監事、愛知・思春期研究会共同代表、日本性科学会幹事、日本性科学会認定セックスセラピスト、一般社団法人パートナーシップ推進協会理事、避妊教育ネットワーク会員
 
※記事内で紹介する商品は、医師が推奨しているものではありません

 

 

性交痛とは? 痛みを感じる箇所2つ

性交痛とは、セックス(性交渉)の際に感じる痛みのことです。

 

男性器を挿入する時に限らず、セックスの最中、後にも痛みを感じる場合があります。

 

性交痛で痛みを感じる箇所は主に、膣の入り口、膣の奥の2つです。

 

具体的な場所、痛みの様子を解説します。

 

 

1.膣の入り口「入口部性交痛」

セックスで膣の入り口付近(外陰部・大陰唇・小陰唇含む)に痛みを感じる場合「入口部性交痛」の可能性があります。

 

膣の潤い不足、処女膜強靭症、外陰部の炎症、緊張などによる膣入口の筋肉の過度な収縮によって痛みを感じるケースがあります。

 

処女膜強靭症とは、処女膜が分厚く、膣の入口が狭くなっていて男性器の挿入が難しい状態です。

 

膣の入口に痛みを感じる場合、病気が原因となっている可能性は少ないとされていますが、外陰部の炎症は放置すると悪化してしまう可能性があります。

 

また、膣内に挿入していなくても性感染症にかかることもありますので注意しましょう。

 

 

2.膣の奥「深部性交痛」

男性器を膣に挿入して、ピストン運動をしてから膣の奥の方に痛みを感じる場合は「深部性交痛」の可能性があります。

 

子宮内膜症やクラミジア感染症などの婦人科系の病気が関係している可能性があるため、膣の奥に痛みがある場合は放置せずに、病院を受診しましょう。

 

 

性交痛の原因4つ

性交痛の原因は、主に膣の潤い不足や緊張などによる過度な膣の筋肉の収縮、生まれつきの体の状態(膣が狭い、処女膜が厚いなど)です。

 

そのほかに、膣や外陰部で炎症が起きていたり、婦人科系の病気・性感染症によって痛みを感じている場合もあります。

 

 

1.膣の潤い不足(濡れない)

性交痛の原因で最も多いとされているのは、膣の潤い不足です。

 

女性は、性的な興奮が高まると、膣から潤滑液がしたたり「濡れる」という現象が起こります。

 

膣が十分に濡れないままでセックスを行えば、男性器と膣で摩擦が起きてしまい、膣内を傷つけたり、痛みを感じることにつながります。

 

丹羽 咲江医師
丹羽 咲江医師
「濡れる」とはどういうことか、メカニズムを解説します。

 

女性の場合、相手との親密度が高ければ興奮が高まります。

 

それに加えて交感神経が興奮していると女性自身の性的欲求が強くなることもあり、濡れやすい状態になります。

 

ホルモンの作用も関係があります。性的な興奮が高まると、オキシトシンというホルモンが分泌されます。

 

その状態で性的刺激を受けると、下半身の血流が巡り、膣壁にある毛細血管が広がっていきます。

 

広がりが血管の壁を押し開き、その隙間から潤滑液がしたたり落ちてくるというのが「濡れる」仕組みです。

 

ただ、すべての女性がこれに当てはまることはなく、女性が濡れるのには心理的な問題や神経が関わっているため、メカニズムは複雑です。


 

女性が濡れない原因は、その日の体調やストレス、ホルモンの状態、心因性のもの、加齢などさまざまです。

 

以下では、濡れない原因の代表的な例について解説していきます。

 

 

挿入に対して不安・緊張がある

過去に性交痛を感じた経験がある方や、セックスでの挿入は痛いものと捉えている方は、性的興奮よりも挿入への不安や緊張が大きく、濡れにくい場合があります。

 

また、中にはセックスという行為自体に嫌な思い出があったり、嫌悪感を抱いている方もいるかもしれません。

 

セックスに対して前向きになれず、性的刺激を受けても、性的興奮につながらず濡れない・濡れにくいという可能性があります。

 

前戯が不十分

セックスでは、キスや体に触れるなどの前戯によって性的興奮を高めていきます。

 

男性から女性だけでなく、女性から男性へも行うもので、コミュニケーションの一つとしても重要です。

 

前戯が不十分だと、女性の性的興奮につながらず、膣内が十分に濡れない可能性があります。

 

出産後

出産後に性生活を再開して性交痛を感じるケースがあります。

 

授乳期間中は産前や妊娠中比較して女性ホルモンの分泌量が減っているため、膣内が乾きやすくなり、萎縮が起こりやすくなっています

 

潤いが不足して性交痛を感じる場合があるでしょう。

 

また、出産時に会陰切開や裂傷を経験した場合、セックスをする時に「傷口が痛むかも……」「会陰が切れたら……」と痛みへの不安から体がこわばって膣が濡れにくくなるケースもあります。

 

更年期

更年期では、女性ホルモンのエストロゲンが減少していきます。

 

エストロゲンは、膣をふかふかに保つ働きがあり、減少していくと膣や周辺の皮膚の弾力が失われていきます。そのため、膣の潤い不足を感じやすくなるのです。

 

 

2.生まれつきの体の状態

膣が狭い、処女膜が厚い、ラテックスアレルギーがあるなど、生まれつきの体の状態によって性交痛を感じる場合があります。

 

膣が狭い

膣が狭い場合、男性器が挿入できず、膣の入口で痛みを感じます

 

パートナーの男性器が大きいという場合もありますが、これまで一度も男性器の挿入ができなかったという方は、膣が狭いかもしれません

 

処女膜が厚い・膜で覆われている

生まれつき処女膜に厚みがある「処女膜強靭症」や膜で覆われていて貫通できない「処女膜閉鎖症」の場合、男性器を膣内へ挿入するのが困難です。

 

自分でケアするのは難しく、病院で処女膜切除の施術を受けてから、膣ダイレーターを使った拡張トレーニングをすることで改善できます。

 

ラテックスアレルギーがある

セックスの時に避妊で使うコンドームには、ラテックスを使用していることが多いです。

 

そのため、ラテックスアレルギーがあると、膣口や膣内に痛み・かゆみを感じて、濡れにくくなります

 

コンドームにはポリウレタン、イソプレンラバーなど別の素材で作られたものもあるので、肌に合わないと感じた場合は他の種類のアイテムを使うようにしましょう。

 

 

3.緊張などによる過度な膣の筋肉の収縮

膣内に異物が入った時に、骨盤底筋の異常な収縮が起きて、自分の意思では弛緩することができなくなってしまうことがあります。

 

ワギニスムスともいいます。このような状態で無理にピストン運動をすると、さらに膣の筋肉が収縮して膣の入口の粘膜が傷ついてしまうことがあります。

 

 

4.婦人科系の病気・感染症

セックスで膣の奥や下腹部に痛みを感じる場合は、子宮内膜症や卵巣腫瘍、クラミジア感染症などの病気の可能性が考えられます。

 

毎回のセックスで膣の奥に痛みを感じているのであれば、一度病院を受診して検査を受けましょう

 

また、膣の入口に痛みを感じる場合、外陰部や尿道の炎症、バルトリン腺のできものがあるなど治療が必要な症状が出ている可能性があります。

 

感染症にかかっているケースもあり、その場合はおりものやデリケートゾーンの臭いに変化が出ることが多いです。異変を感じたら早めに病院を受診しましょう。

 

丹羽 咲江医師
丹羽 咲江医師
性交痛が症状の一つとして現れる婦人科系の病気は、放置すると不妊症の原因になるものもあります。

 

中には手術が必要となるケースもありますし、いずれにしても痛みを伴うセックスを繰り返していくと、セックスが恐怖でしかないといった状態になってしまうことがあります。

 

少しでも気になることがあれば、念のために病院を受診してくださいね。

 

 

性交痛の対処法

ここまで、性交痛の原因について解説してきました。

 

ここからは、性交痛に悩んだ時に、まずご自身でできる対処方法についてご紹介します。

 

 

潤滑剤を使用する

性交痛の主な原因として「膣の潤い不足」があります。

 

体質や緊張・不安によって濡れない・濡れにくい方は、ぜひ潤滑剤を試してみるのがおすすめです。

 

潤滑剤には、以下の種類があります。

 

潤滑剤の種類 特徴

ウォーターベース

水で洗い流しやすく、肌馴染みが良い

シリコンベース

持続時間が長い

オイルベース

滑らかな使い心地

※コンドームに付着すると劣化して破れやすくなるので挿入に使う際は注意

 

注意点として、オイルベースの潤滑剤は、コンドームに付着すると破れてしまう可能性があるため、コンドームを使用する場合は避けましょう。

 

 

iroha SMOOTH GEL

iroha_SMOOTH GEL

 

潤い不足で感じる痛みや不快感にお悩みの方におすすめの潤滑ジェルです。

 

適度な糸引き、なめらかな質感が長く続くのが特徴。

 

水溶性なので、拭き取り、シャワーでサッと流すだけで簡単に落とせます。

 

また、コンドームやラブグッズとも使っていただけるので、ラブタイムだけでなく、セルフプレジャーでも使用していただけます

 

無香料で、好みを問わず使いやすいのもポイントです。

 


 

 

 

iroha MOIST GEL

iroha_MOIST GEL

美容成分配合で、潤いたっぷりの潤滑ジェルです。

 

潤滑剤としてだけでなく、保湿剤としても使えるアイテムで、デリケートゾーンに潤いが不足した時に、手指に取り出して、手軽にケアできます。

 

自然な粘度でベタつきすぎず、使用後はお肌がつっぱらないのも特徴です。

 

また、ゆずとイランイランの優しい香りで、癒されながら使えるのもポイントの一つ。

 


 

より詳しい使用感が知りたい方は、ぜひ下記のiroha MOIST GELのレビュー記事も合わせてご覧ください。

 

また、iroha SMOOTH GELとiroha MOIST GELをiroha女性社員が徹底討論した比較記事もぜひチェックしてみてくださいね。

 

 

パートナーとセックスについて話をする

セックスを二人で楽しめるように、パートナーとセックスについて話をしてみるのも良いでしょう。

 

女性によって気持ちよいと思う場所や、刺激の仕方は異なります。

 

パートナーの前戯に痛みを感じていたり、気持ちよくないと思っている場合、性的興奮につながらず、濡れにくくなります。

 

我慢をしていると「濡れない」ことへの不安や緊張から、膣がより濡れにくく、膣の筋肉が収縮してしまい、性交痛が続いてしまうケースがあります。

 

ご自身がセックスでより気持ちいいと感じられるようになるためにも、パートナーに「こういう風に刺激してほしい」「もっとキスがしたい」など具体的にしてほしいことを話してみても良いかもしれませんね。

 

 

 

セックスの体位を変えてみる

性交痛の原因とされる濡れない・濡れにくいお悩みの原因には「挿入時に男性器が膣の入口の荒れてしまっている部分を刺激してしまっている」「男性器が気持ちいいところにあたっていない」という場合や「パートナーに見られることで不安を感じて気持ちよくなれない」「恥ずかしくて緊張してしまう」というケースがあります。

 

セックスの体位を変えてみることで、ご自身の気持ちいい部分を刺激できるようになったり、パートナーの視線が気になりづらくなるかもしれません。

 

以下の体位は、女性主体で動けるので、ぜひ試してみてくださいね。

 

 

 

騎乗位

騎乗位

騎乗位は、仰向けになった男性に女性がまたがり、挿入する体位です。

 

上下にピストンするだけでなく、前後にスライドするなど女性がさまざまな動きを楽しめる体位なので、気持ちいい部位にあたるように調節が可能です。

 

 

 

座位

座位

座位は、椅子やベッドに座った男性の上に、女性がまたがって挿入します。

 

座位も騎乗位と同様に、女性が上位になって気持ちいい部分(クリトリス)に男性器をあてやすい体位です。

 

また、向き合って抱き合いながらセックスを楽しめる体位でもあるため、パートナーと密着して安心感を得たい方にもおすすめです。

 

 

 

後背位

後背位

後背位(バック)は、女性が四つん這いになり、男性が後ろから挿入する体位です。

 

そのため、顔を見られると恥ずかしい、緊張してしまうという方は、後背位の体位がおすすめです。

 

後背位は奥深くまで挿入できる体位なので、痛みを感じやすい方は、まずはゆっくりと動いてもらえるようにパートナーに伝えておきましょう。

 

 

ダイレーターやラブグッズを使って挿入に慣れる

「セックスで挿入がこわい……」など、挿入への不安を抱えている方は、ダイレーター(腟が狭くなるのを予防するために用いる器具のこと)やラブグッズを使って挿入の感覚に慣れていく方法もおすすめです。

 

丹羽 咲江医師
丹羽 咲江医師
まずは、クリトリスを刺激する、膣入口部をマッサージするのがおすすめです。気持ちよさを学習するだけではなく、膣口部をマッサージすることで血流も改善されて濡れやすくなります

 

ラブグッズの挿入は、実際のセックスでの挿入とは異なりますが、挿入の練習を行うことで自信が持てたり、安心感につながるケースもあります。

 

また、Gスポットやポルチオなどの性感帯は最初の刺激では痛みを感じやすいですが、徐々に刺激に慣れていくことで、気持ちいいと感じられるようになります。

 

「感覚に慣れる」「気持ちよさを学習する」ことも一つの対処方法として知っておいてくださいね。

 

緊張のためにどうしても力が入ってしまう人は、実際の挿入の際に直前まで男性器サイズ(約直径3.3cm)のダイレーターを挿入しておくと、膣の収縮を予防して男性器の挿入がスムーズになります。いろいろ試してみてください。

 

Gスポットとポルチオの位置は下記の図解を参考してください。

 

Gスポットとポルチオの位置図解

 

 

 

挿入の練習におすすめの細身バイブ「iroha koharu」

iroha koharu

 

iroha初のスリム型バイブ。性交渉の経験が少ない方や、挿入時に痛みを感じやすい方でも試していただきやすい、先端が2.2cmの細さのバイブです。

 

ヘッド部分が曲がるので、Gスポットやポルチオの刺激を試したい方にもおすすめです。

 

また、振動パワーには段階がなく、好みで調節できるので、あてがって振動を楽しむのにもピッタリですよ。

 


 

 

 

病院で症状を相談・治療する

性交痛の原因には、体質や婦人科系の病気・感染症が関係している場合があります。

 

治療や手術によって改善できることがほとんどなので、気になることがあれば病院を受診しましょう。

 

膣が狭い、処女膜が厚いなどの体質は、ご自身では確認が難しいです。

 

また、病気や感染症についても、判断が難しいものが多いです。

 

以下に、病院受診の目安を紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

 

病院受診の目安

  •  下腹部痛がある
  • 月経痛がつらい
  • おりものが多い
  • ニオイが気になる
  • かゆみがある
  • パートナーの指が入らない、入るけど痛い
  • 男性器が膣に入らない
  • 月経周期が乱れてきた
  • 月経量が減った
  • 月経が来ない

 

 

性交痛は一人で悩まず、パートナー・医療機関へ相談を

性交痛の原因・対処方法について解説してきました。

 

性交痛の原因はさまざまで、いつでも誰でも悩む可能性がある症状です。

 

性交痛を感じたことによって「また痛みを感じたら……」と不安になり、セックスに前向きになれなくなってしまうケースもあります。

 

デリケートなお悩みで、相談するのは難しいと感じる方もいるかもしれませんが、パートナーに痛みについて理解をしてもらうことで、より気持ちいいと感じられるセックスができるようになる可能性もありますよ。

 

ラブグッズなども取り入れながら、ご自身の気持ちいい場所を探してみたり、挿入の練習をしてみるのもおすすめです。

 

また、婦人科系の病気が隠れている可能性もあるので、今回紹介した病院受診の目安に当てはまることや、少しでも気になることがあればまずは医療機関を受診してくださいね。

 

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